昔の日本の文化を観ることができる場所。
中町・蔵シック館は酒屋を移築した建物で、
電気設備を設けるなど、利用しやすいように改良こそされているものの、
明治21年に建てられた当時の姿を今に伝えています。
現在、公民館の機能を兼ね備え、貸し部屋なども行っています。
展示や物販、会議、コンサートなどの様々なイベントを
ホームページなどで告知。
1室1日3,220円で部屋を利用することができます。
1番のお目当ては、幾重にも張り巡らされた天井の梁なのではないでしょうか。
入り口から入ってすぐ、上を見上げるとこの光景を
見ることができるのです。
天井からの光もあって、マス目状に組み上げられた梁がよりはっきりと。
この建物は、釘を使っていません。
梁は、上の写真に見るように楔を打ち込んで固定しているだけ。
梁の美しさもさることながら、機能美も兼ね備えた建物なのです。
梁だけに限らず、そういった機能は外観の壁にも表れています。
中町通りには、写真で見るような「なまこ壁」で作られた蔵造りの街並みが揃っています。
なぜこのような作りの街並みになっているのでしょうか。
それが今日の中町通りの景観を築く一因にもなっていると言えるでしょう。
中町・蔵シック館は、元々「大禮酒造」という酒屋を、
平成8年に現在の場所に移築したものです。
実は、酒屋であるということが一目でわかる工夫が現在でも残されています。
それは一体何でしょうか。
それが、2階の壁に掲げられているこの「杉玉」です。
それによって、庶民は新作が出るタイミングを知ることができました。
これは現在でも使っているのか尋ねたところ、
このお酒は、蔵シック館では扱っていませんが、
同じ中町通りの「中西屋本店」と「cafe SENRI 中町店」で購入できます。
こちらが中西屋本店です。
中町・蔵シック館のななめ向かい側に位置しています。
こちらがcafe SENRI 中町店です。
館内は無料で見学ができるので、一通り中を歩いてみました。
1階だけでもかなり広いです。
窓の外には日本庭園の風景が広がっています。
正面奥に見える建物は中町・蔵シック館の喫茶店で、
土蔵を改良したものです。
昔にタイムスリップしたかのような日本間。
欄間には透かし彫りの彫刻が施されています。
大きめの広間もあるので、そこそこ大きめのイベントで
貸し部屋を申し込んでも対応してもらえるのではないでしょうか。
1階を見下ろすことができる2階の窓から撮影した風景。
2階のいろいろな場所から梁を眺めることができます。
普通に使われれているこちらの階段は、
外からはわかりませんが、ある仕掛けが施されています。
階段右手の扉から、事務室にお邪魔させていただきました。
事務室内部から撮影した階段です。
階段を収納として利用することへの関心は高く、
収納も現在ちゃんと使われていらっしゃるそうです。
一度、館の外へ出て隣の土蔵へ。
こちらは現在喫茶店です。
扉にかかっている左のおしながきは日本語、
右のメニューは英語で表記されています。
店内入り口あたりから観た風景。
日本庭園を眺めながら、軽食を楽しむことができます。
1階2階、どちらの席に座るか悩むところではないでしょうか。
ちなみに壁にかかっているのは松本手まりです。
メニューの中でもメインである「お茶セット(500円)」を頼みました。
緑茶と和菓子のセットで、和菓子は4種類から選ぶことができます。
お茶のほかにコーヒーもありますが、
ポイントはやはり中町の井戸水が使われていることです。
美味しい水で提供してもらえるのは、水の街でもある松本ならでは。
ぜひ、深みのある味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。
最後に、スタッフの方に観光客の方へのメッセージをお伺いしました。
※取材日:2017年3月24日