日本を代表する景勝地「上高地」は、3,000m級の穂高連峰をはじめとする山々に囲まれ、透き通った清らかな梓川の清流と自然が織りなす神秘的な景観に多くの観光客を魅了しています。
年間約120万人の観光客が訪れ、近年はインバウンド需要が増加し、外国人観光客の姿も目立ちます。
夏場でも20度を超える日が少なく、また整備された遊歩道もあり、避暑しながら大自然を満喫できます。
ハイキングコースも複数あるので、滞在時間と体力に合わせて旅の計画をしていきましょう!
Contents
1.初めての上高地にオススメ☆上高地の代表的なスポット
①大正池(たいしょういけ)
大正池は、1915(大正4)年の焼岳噴火により生まれた池。
噴出した多量の泥流により梓川が堰き止められてできました。
まるで鏡のように山々を写す美しい景観が広がっています。
②田代池(たしろいけ)
田代池は隣接する大正池とともに、焼岳の噴火により梓川の流れが堰き止められてできた浅い池。
寒い日は周辺の木々が朝露や霜に包まれて、神秘的な雰囲気になります。
③ウェストン碑
上高地の魅力を世界にひろめた功労者・英国人宣教師ウォルター・ウェストン。
彼を称えて設置されたレリーフがあります。
ウェストン碑の近くには広場となっている「ウェストン園地」があり、目の前には霞沢岳や六百山の眺望が広がります。
写真家の撮影スポットとして賑わいます。
④河童橋(かっぱばし)
上高地の中心にあり、上高地のランドマーク的存在ともいえる河童橋。
上高地バスターミナルから徒歩5分のところにあり、食事処も多数集まるため、多くの人で賑わいます。
橋の上から望む穂高連峰や焼岳と、梓川の透き通る水面の美しさに心を奪われます。
上高地に来たら確実に写真に収めたいスポットです。
⑤明神池(みょうじんいけ)
明神池は、明神岳の土砂が湧き水を堰き止めてできた、一之池と二之池、大小2つからなる池。
穂高神社奥宮が鎮座する神域であるため、拝観料300円がかかります。
穂高神社の御祭神は、日本アルプスの総鎮守として鎮座し、海陸交通守護の神。
神秘的な静寂さを漂わせる明神池はパワースポットでもあります。
⑥明神橋(みょうじんばし)
梓川の清流にかかる木製の吊り橋「明神橋」
長さ54.4mの橋は2003年に架け替えられたもの。
多くの人で賑わう河童橋から約2時間ほど歩いたところにあり、比較的人が少なく穴場のスポットです。
2.おすすめハイキングコース
上高地のガイドブックは書店でも多数ありますが、松本市内の観光案内所にパンフレットがあります。
こちらのパンフレットだけでも情報が満載。
絶景ポイント満載の定番ハイキングコース|大正池〜河童橋 〈片道:約60分〉
こちらのマップの「大正池」バス停から木道を通り、「田代池」付近から「梓川コース」または「林間コース」を通過。合流地点の「田代橋」を渡り、「ウェストン碑」を通過し、「河童橋」を目指します。
シャトルバスで「大正池」の停留所を降りてすぐにある景観スポットが「大正池(たいしょういけ)」
見てください。この美しい光景・・水面が鏡のようになって山々を写します。
大正池に林立する枯れ木は上高地を代表する景観の1つです。
昔はこの枯れ木が埋まるほどの高さまで水位がありましたが、梓川の上流から流れ込む土砂などの影響から、水位が下がり、枯れ木も倒れて少なくなり、大正池は年々小さくなっています。
そんな大正池のもう一つの見所は早朝に見られる朝もやの光景。
夏の季節の4時30分〜7時台ころに朝もやがかかり幻想的な景観を見ることができます。
朝日がのぼり、陽が差し込んできた時を狙ったのがこちらの写真。
天候によっても見え方が左右しますが、ベストショットを狙って早朝の大正池へ訪れてみては?♪
大正池をあとに、次の景観スポットへ移動。整備された遊歩道を歩いていきます。
次の景観スポットは「焼岳(やけだけ)」を間近に見ることのできるスポット。
大正池にもあった、枯れ木もいくつか残りながら、焼岳が目の前に。
透明度が高い水面は光の屈折によりエメラルドグリーンに見えます。
そして次のスポットへ。
少し写真がボケてしましましたが、こういった林道を進んでいきます。
林道を進んでいった先に視界が開ける場所があり、そこが「穂高連峰」を望めるスポットです。
水辺とはまた違った山々の雄大さを感じます。
穂高連峰を眺望できるスポットから右手に進んだ先には「田代池(たしろいけ)と湿原」があります。
比較的浅い池で、水苔の緑も美しい。
「田代池と湿原」から穂高連峰を眺望できるスポットへ戻り、左手の林道を進んでいきます。
林道を進んで行くと、「梓川コース」と「林間コース」に分かれます。
焼岳を眺めながら、梓川沿いを進む上高地らしい風景が満喫できるコースです。
原生林の中の木道を歩くコース。森林浴を存分に楽しみながら静かな緑の中を歩いていきます。
今回は「梓川コース」を歩いていきます♪
梓川コースを歩いていくと、こういった看板が。
行き止まりとなっている「梓川河原」を覗いてみるとこんな景観が広がります。
先程の看板まで戻り、河童橋方面へと進みます。
「梓川コース」では、河童橋が近くにつれて、梓川を眺めながらトレッキングができます。
お次に見えてきたのは「田代橋(たしろばし)」。
先程二手に分かれたコースの1つ「林間コース」もここ「田代橋」で合流します。
「田代橋」からはこんな景観を望めます。
田代橋を渡り、梓川沿いに歩いていきます。
穂高連峰がだんだん近づいてきました!
梓川沿いを歩いていくと、上高地ルミエスタホテルや上高地温泉ホテルが左手に。
このあたりには木のテーブルがいくつかあるので、ひとやすみ。
テーブルに座ったちょうど目の前には「六百山と霞沢岳」を一望できます。
さらに梓川沿いを歩いていくと、上高地の魅力を世界にひろめた功労者・英国人宣教師ウォルター・ウェストンを称える「ウェストン碑」があります。
一見、自然と同化していてわかりにくいですが、アップするとこんな感じ。
「ウェストン碑」から少し歩いたところには、「ウェストン園地」が広がります。
河童橋まであと1.1km!
さらに歩いていきます。
歩くこと約1時間、ようやく「河童橋」が見えてきました!
上高地の代表スポットであり、食事処やお土産屋などのお店が集まっているので、観光客がひときわ賑わいます。
さて、河童橋に到着したので、腹ごしらえを。
河童橋周辺には木のテーブルやイスもいくつかあるので、外で食べるのもオススメです♪
神秘的な明神池を目指すハイキングコース|河童橋〜明神橋〈片道:約120分〉
「河童橋」から右岸または左岸を歩いて「明神池」を目指して、1周ぐるっとトレッキングをするコース。
次に紹介するのは、河童橋〜明神池までを往復するコース。
先に紹介した、大正池〜河童橋までの定番コースから更にこちらのコースをトレッキングすることも可能です。
河童橋の右岸、左岸、どちらからでもぐるっと一周することはできます。
今回は左岸からのルートを歩いていきます!
まず視界に入ってくるのが、この雄大な穂高連峰。
山って・・・美しいですね。見とれてしまします。
これまた少しピンボケしてしまいましたが、こういった林道が続きます。
歩いているとひときわ存在感のある木がありました。
エネルギーをもらえそう。
林道から少し雰囲気が変わり、まだまだ遊歩道を歩いていきます。
河童橋から10分ほどのところには「岳沢湿原(だけさわしつげん)」があります。
岳沢湿原から更に歩いていきます。木に生えた苔も美しい。
原生林が続く道は木陰が多く、清流が流れるところもあるので涼しく、夏場でもひんやりします。
大正池〜河童橋までの定番コースと比べると、傾斜のある山道が続き、より登山に近い感じになります。
おおよそ1時間ほど歩いていくと視界が開けた空間が出てきます。
奥に見えるのが「明神橋(みょうじんばし)」
「明神橋」に行く手前の左手に「明神池(みょうじんいけ)」があります。
まずは「明神池」へと進みます。
明神池のある穂高神社の鳥居が見えてきました。
明神池周辺には食事処や休憩スポットがあるので、観光客で賑わいます。
明神池は穂高神社内にあるため、明神池拝観料がかかります。
大人300円 小学生100円
穂高神社の境内はこちら。
明神池は「一乃池」と「ニ乃池」の2つの池があります。
明神池を拝観する場合は左手の窓口で拝観料を納めます。
参拝のみの場合はそのまままっすぐ進み参拝しましょう。
こちらが「明神池」
写真では雰囲気が伝わりづらいですが、静寂で神秘的な雰囲気です。
明神池をあとに、先程差し掛かった「明神橋」へ。
河童橋と比べると観光客が少なく、人が橋の上を歩いてこないタイミングを見計らって記念撮影を撮りやすいですよ!
こちらは明神橋から北東方面の眺め。
明神橋を渡り、振り返ると橋の背景には「明神岳(みょうじんだけ)」が。
明神橋を渡り歩いた先の突き当たりが、このコースの折り返し地点となります。
上高地バス停まで約3km。
ちなみに「徳沢」方面へは「横尾大橋」を目指し、更に110分ほどトレッキングをすることができます。
河童橋付近とは比べものにならないほどの穂高連峰の迫力を目にすることができます。
さて、あとは下って河童橋(上高地バスターミナル)を目指しましょう。
帰りの道は比較的歩きやすい道が続きます。
途中、倒木に座って明神岳を一望できるスポットもあります。
神秘的な岩肌が覗いていたのでパシャり。
緩やかな傾斜になってきました。
ここは「小梨平(こなしだいら)」
キャンプ上になっていて、キャンプする人で賑わいます。
ここまで来たら、ゴールはすぐ目の前。
河童橋に到着しました!
3.どんな服装で行ったらいい?手荷物預り所あり◎
上高地は真夏でも20度を超える日が少なく、まさに避暑地と言えます。
真夏でも朝晩は冷え込むため、長袖シャツや羽織れるものは常備しておきたいところ。
服装は動きやすい普段着でOK!
こちらの記事で紹介したスポットを散策するのであれば、登山やトレッキングの格好までしなくても大丈夫。
熱中症対策に飲み物もお忘れなく。
河童橋周辺には売店や飲食店などがありますが、観光地価格で割高のため、最低限の飲み物やさっと食べられる食べ物は事前に買って持っていくのがおすすめです。
パブリック施設案内
営業時間
AM 6:00 ~ PM 5:00
営業期間
4月27日 ~ 11月15日まで
定休日
不定休
料金の目安
1日/小(約10リットル):350円、中:400円、大:500円
特大(60リットル位)600円
4.アクセス方法・運賃・所要時間は?
〜関東方面の方は松本から〜
◎電車・バス利用の場合
松本
↓ 30分 / 電車運賃700円
新島々(しんしましま)
↓ 1時間10分 / バス運賃1,950円
大正池バス停 or 上高地BT
◆所要時間:1時間40分
◆運賃:2,650円(片道)
時刻表や運賃の詳細は以下アルピコ交通、上高地公式HPよりご確認ください。
http://www.alpico.co.jp/access/kamikochi/shinshimashima/
http://www.kamikochi.or.jp/access/
松本バスターミナルから上高地まで直通のバスもありますが、本数が限られるので電車からバスに乗り換える方法で行くのがおすすめです。
松本バスターミナル(バス直通)or松本駅(電車+バス)から上高地の往復が4,550円とお得になるクーポンもありますよ!
◎マイカー利用の場合
松本
↓ 1時間 / マイカーで移動
沢渡(さわんど)
↓ 30分 / シャトルバスで移動 / シャトルバス運賃1,250円
大正池バス停 or 上高地BT
◆所要時間:1時間30分
◆運賃:1,250円(片道)
◆駐車料金:1日600円
時刻表や運賃の詳細は以下アルピコ交通、上高地公式HPよりご確認ください。
http://www.alpico.co.jp/access/kamikochi/sawando/
http://www.kamikochi.or.jp/access/transfer/#map1
沢渡駐車場~上高地まで往復で乗車券を購入すると、往復2,050円とお得に乗車できます。
〜関西・名古屋方面の方は高山から〜
◎バス利用の場合
高山駅
↓ 1時間
平湯温泉
↓ 25分
大正池バス停 or 上高地BT
◆所要時間:1時間25分
◆運賃:2,600円(片道)
時刻表や運賃の詳細は以下濃飛バス、上高地公式HPよりご確認ください。
https://www.nouhibus.co.jp/route_bus/kamikochi-line/#fare
http://www.kamikochi.or.jp/access/
◎マイカー利用の場合
高山
↓ 55分 / マイカーで移動
平湯温泉
↓ 25分 / シャトルバスで移動 / シャトルバス運賃1,160円
大正池バス停 or 上高地BT
◆所要時間:1時間30分
◆運賃:1,160円(片道)
◆駐車料金:1日600円
時刻表や運賃の詳細は以下濃飛バス、上高地公式HPよりご確認ください。
https://www.nouhibus.co.jp/route_bus/kamikochi-line/#fare
http://www.kamikochi.or.jp/access/transfer/#map2
取材日:2018.8.18